退職金の運用...ちょっと待った!
2021.4.24 日経新聞より
「退職金の一部は運用に回すつもり」
という人がたくさんいるようです。
そして
「退職金の運用で失敗した」
という相談が多いというのもまた事実。
これは老後資金の心配から「運用をした方がいいのでは」
という漠然とした焦りや不安があるということ。
そしてそれに付け込む金融機関が運用商品を積極的に勧める、ということから起こる現象だと思います。
私も銀行に在職時、退職金プランをご案内してました。
今の定期預金の金利が0.002%ですからお客様は目を奪われます。
ですが、この金利は3か月の短期間であり実質金利はこの1/4です。
そして、大きな金額の退職金を受け取ると、そのうち半分くらいは投資をしてもいいかな、と思われるようです。
例えば2000万円の退職金なら1000万円を退職金特別プラン定期預金。
そして半分の1000万円で投資信託の運用を開始。
私はこの定期預金と投資信託をセットで販売する方法にものすごく違和感がありました。
投資はやり方さえ間違わなければお金を増やせる素晴らしいツール。
けれど定期預金の高い金利を餌に投資信託の購入を勧めるという行為は
「投資信託は悪いものだから、いいものとセットでなければ売れない」
と言っているようなものではないでしょうか?
そして今まで運用をやったこともない方が1000万円もの投資を簡単に決めてしまいます。大金を手にすると、金銭感覚が麻痺してしまうものなのですね。
ですが、初めて投資を開始された方はその値動きに翻弄されます。
経済状況がよく、運用がうまくいっている時はいいんです。
ですがこんな事例がありました。
・購入した投資信託が5年以上持っているのに元の価格に戻らない
・コロナショックで資産が3/4になってしまい、怖くなって売却した
これは
・購入時期が悪かった
・自分自身のリスク許容度がわかってなかった
等が原因です。
私も成績があったため、思うようにしてあげることができず、本当に申し訳なかったと思っています。
こういう方をこれ以上出さない為にも、退職金を受け取ったら次のことに気を付けてください。
・運用は一度に大金を入れない。必ず時間分散を!
・投資残高は経済状況によっては一時的に半分まで減ることもあります。
半分になってもいいと思える額があなたの許容額です。
・運用を勧められてもその場で決断しない。必ず誰かに相談を。
・必ず何に投資しているのか自身で腹落ちしてから。人任せにしない。
老後の資金の大事な退職金。
大事に守っていきましょう。
まずは不安の内容を明らかにすることから。
ライフプランを作ってそれを数字で確認すると納得感がでます。
資産内容によっては運用は必要ないってこともありですよ。
是非、たぱこのところにもご相談にいらしてくださいね。